自分のものではないバイクの買取には委任状があれば良いのか

自分が名義になっているバイクを売るのは簡単ですが、他の人のバイクの買取をしてもらうとなるとやや問題が生じます。盗んだバイクを売られては業者としても問題になるからです。このようなときに役立つのが委任状です。

自分のものではないバイクを専門業者に買い取ってもらうには委任状を用意すれば大丈夫なのでしょうか。

委任状は他人名義のバイクの買取には必須

自分の名義のバイクであれば本人が買取業者と直接やり取りをするので、名義人が売りたいという意思を持っていることが明確にわかります。この場合には、特別な手続きは必要ありませんが、他人名義のバイクを売るときには委任状が必須です。

他人のバイクを勝手に売る手続きをしてしまったら当人だけでなく買取業者にも非難の声が上がるでしょう。また、そもそもバイクは基本的には所有者が登録されているため、売るときには名義変更の手続きをしなければなりません。

その法的手続きを行うためには名義人本人の意思確認が必要です。委任状を作成することで、委任された人が名義人に代わってバイクを売ることを認めたということになります。そのため、意思確認をしっかりと行い、トラブルなくバイクの売買を成立させるためには委任状が必要なのです。

これはよく知っている幼馴染の友人のバイクであっても、家族のバイクであっても同じことです。本人のものでない限りは必ず委任状を用意しなければなりません。

委任状の基本的な書き方を知ろう

他人名義のバイクを売る機会がありそうな人は委任状の書き方を知っておいた方が良いでしょう。委任状のフォーマットは陸運局などで配布していて、インターネット上からもダウンロードできます。A4サイズの一枚の紙なので記入すること自体はそれほど手間がかかりません。受任者欄には委任先に当たる人の住所と氏名を記入し、所有権を移転する手続きを申請するための委任状だと示すために移転登録申請であると記載します。そして、自動車登録番号、または車台番号を記入し、最後に委任者の氏名と住所を記載して実印を押せば書類の準備は完了です。この実印の捺印は、名義人が委任状を書いたものという証明ですので忘れずに行いましょう。なお、251cc以上のバイクに関してのみ法的に手続きが必要とされているのが現状です。250cc以下の場合には特に移転登録手続きを陸運局で行う必要はありません。しかし、買取業者が他人名義のバイクを買い取ることはトラブルの原因になるため、基本的には同じように委任状を用意するように言われます。バイクの排気量にかかわらず、買取の相談に行くときには委任状を準備しておきましょう。 

委任状があっても買い取ってくれないこともある

実際問題としては、委任状を準備して買取業者にバイクを売りたいと伝えても買い取ってくれないこともあります。そもそも値段がつかないような状態にバイクがなっているからという場合もありますが、手続き上、やはり委任状だけでは買い取れないと判断されてしまう場合もあるのです。

一般的には、委任状と委任された人の身分証明書があれば買い取ってくれます。ただ、実印を偽造されてしまうようなケースも想定されるため、買取業者が本人に電話などで連絡を取りたいと主張することも少なくありません。

家族の場合にも、実印が自宅に置いてあれば、名義人以外が簡単に委任状を作ることができるでしょう。例えば、夫婦や親子で喧嘩をしているようなケースで、家族名義のバイクを売り払ってしまおうと考えることもあるかもしれません。

電話で確認したいと言われたときに、名義人本人が対応できなかったときには買い取れない、あるいは連絡が取れるまでは手続きを進めないといった対応になることがあります。査定を受けたいという程度までなら本人の意思を電話で確認できなくても構わないという判断の場合が多いですが、本当に売買契約をするとなると委任状があっても躊躇われてしまいやすいのです。

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こんなケースも注意しておこう

委任状は陸運局が用意しているフォーマットで書くことができますが、それを用意しただけではあくまで法的手続きができるのみです。買取業者が事務手続きをする上で他のフォーマットに記入して欲しいと言う場合もあります。

また、名義人本人の確認をするために、免許証などの本人確認書類のコピーを用意するように言われることもあるので注意しましょう。逆に、250cc以下のバイクの場合には、陸運局が用意しているフォーマットでなくとも委任状があれば良いという業者もあります。

必要書類が整わないと手続きが進められないのは確かですが、買取業者によって何を要求するかは異なっています。バイクの買取を依頼するときには、予めどんな書類が必要かを確認しておきましょう。他人名義になると特に業者によって対応が異なるので、相談を始めた時点でリストアップしておいてもらうと安心です。

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委任状を準備できないときにはどうするか

バイクを売ってきて欲しいと頼まれたけれど委任状を用意するのが難しいというケースもあるでしょう。例えば、海外に仕事の都合で赴任している友人が、預けておいたバイクを売って欲しいと連絡してきたときには委任状を作るのは大変です。

実印がないと取引ができないので、郵送で委任状を書いて送ってもらわなければなりません。もし251cc以上のバイクを売らなければならないというのなら、法的手続きが必要になるため、その友人に郵送で委任状を作成して送ってもらわなければならないでしょう。

しかし、250cc以下の場合には買取業者が本人の意思を確認できれば大丈夫です。そのため、事情を説明してどのような形で対応してくれるかを確認しましょう。

電話などで確認を取り、必要書類をメールなどで送ってもらうだけで対応してもらえることもあります。法的手続きが必要ないときには買取業者によって対応が違うので、よく業者と相談しましょう。委任状を準備できないケースとして、放置バイクを買い取って欲しい、バイクを貸してくれていた友人が音信不通になってしまっていて処分に困っているなど、様々なパターンが想定されます。

業者側にどれだけそのような相談に対応してきた経験があるかによって対応も異なります。

困ったときには多くの業者に相談してみて、どのような対応をしてくれるかを比較してみましょう。